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2009年12月18日 (金)

返報性の原理

人間は社会的動物である。
誰かに何かをしてもらったり、何かを貰ったりすると、「お返しをしなければ」という心理が湧く。それは社会の一員として昔から「お返しをすることでよい人間関係を維持する」という気持が働くからである。

このようなことはビジネスでもよくある。

いきなり、あまり関係のない人からモノが送られてきた。あるいはモノをもらった。こういう経験はないだろか。

例えば、試食販売。店頭で並んでいる商品を試食させてもらった人は、その商品をかう率はかなり高い。老巧な販売員がいればほぼ100%販売することは可能だ。

あるいは、エステサロンで化粧品の限定サンプルをもらったひとは、必ず感想を述べることになる。このような関係(商品をもらってその使用感を述べるという)が成り立てば、熟練した販売員は商品を売り逃すことはない。

返報性は物やサービスだけではない。「ほめる」ことを返報性の原理で活用する場合もある。

とにかくお客様や部下、あるいは上司を褒める。褒められると「褒められた」という相手からのギフト(贈り物)をもらう。
そうすると、今度何かあったら相手にお返しを、ということになる。

また、逆の返報性もある。例えば、販売員が最初、お客様のためだから、といってお客にハードルの高いオファー(提案)をする。要求をされたお客は当然拒否する。拒否したお客は、相手の好意を拒否したという気持が残る。販売員はすかさず、ハードルを下げた低い提案をする。すると、お客は「これくらいなら」ということになり、販売員は販売に成功する。販売員はもともと、それを見越して高いオファーをしたわけだ。

これは、子どもでもお小遣いを要求する時など、戦略的に(?)行なっている場合もあるだろう。

販売やマネジメントに活用できる返報性は確かに有効であるが、やりすぎると逆効果になる場合もあるから気をつけなければならない。

しかし、良心や心からの思いやりに基づく返報性は社会を良くする原動力にもなる。

人間が生来的に持ち合わせる返報性で良い循環が生まれるとよい。

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