求人倍率と仕事観
有効求人倍率は1.08倍と17か月連続で改善され、リーマンショック前の水準に並んだと言われています。
これは必ずしも景気回復の表われであるとは言えません。
団塊世代が既に定年退職の時期に来ており、4年ほど前までは約130万人位の定年退職者でしたが、ここ数年来、毎年160万人近くが退職しています。一方で若者の学年別人口は約100万人程度。就職時期は年齢によってばらつきがあるものの、総体としては毎年100万人程度の社会進出者が生まれていると言っていいでしょう。 経済規模が変わらなければ、毎年60万人ずつ不足している状況ですが、相変わらず求人倍率は1倍という状況です。これでは、景気拡大により雇用環境が上向いたとは言えません。
現在、そしてこれからの状況はむしろ、人口構造の変化による慢性的な人不足時代に突入している。と見た方がいいと思います。
若い人達が働く先の選択肢を増やし、勤務時間や休日などの条件が必ずしも十分であるとはいえないサービス業から、工場勤務など、「比較的安定した日常」を送ることができる業界志向が強まるのは確かです。
このような職業選択や職業観について問われる情報を耳にすると、「仕事とはなんだろう」と改めて考えさせられます。
これから職業を選ぶ場面に直面する人々に、職業を通して何を実現したいかということをしっかりと考える時間を持ってほしいと思います。
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