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2009年2月 8日 (日)

コンパクトシティと「まち育」

愛知県名古屋市中村区太閤通り

出張の途中のJR名古屋駅。Photo
新幹線ホームから臨む名駅太閤通口。
豊臣秀吉が名駅のある中村区太閤地区に生まれたとあって、その地名も豊臣秀吉にゆかりのあるものが多い。(太閤、千成、豊国、豊公など)
太閤通口は、名古屋駅の西にあり西口とも言われており、戦後は闇市などが開かれた「駅裏」。近代的な商業施設は20年ほど前まではあまりなかったそうだが、現在では、ビックカメラ、ソフマップ(名駅中)など電気街としても知られ、ホテル、有名学習塾も立ち並ぶ。歩いて15分もすれば、イオンのショッピングセンターも。学校、区役所など公共施設や病院などもあり、コンパクトで生活に密着した濃密なエリアだ。
ビジネス街の駅東(桜通口、広小路口)とは対照的。

コンパクトシティのコンセプトは、少子高齢化、中心市街地や駅前商店街の空洞化、環境問題、成熟化社会の進展にあって、多くの地域で叫ばれているが、実際は難しい面も多々ある。

行政やまちづくり組織、そして中心市街地商店街の思惑とちがい、商業機能の郊外へのシフトが進む。
モータリゼーションが行き着くところまで進み、より安く、より便利にという消費者と商業者のニーズが商業機能を郊外へと加速させた。

まちづくりは、未来づくりである。
まちはコミュニティで成り立つ。
それは、単にインフラ(社会基盤、主に建物や施設、公共交通システムなどのハード)の整備だけでは完結しない。

もちろん、我田引水の短期的な利益を中心に考えるべきでもなければ、議会や行政の決済・決定システムに引きずられるべきものでもない。本末転倒、目的と手段を履き違えてはならない。そういう発想に立ち戻って、じっくりと議論を進めることが求められる。

50年後、2世代先のコミュニティ(=人と人のつながり)をどうつくるか?
ソフトなインフラをどう育むか?

その一つの解決策が「まちづくり教育」ではないか。

食育は福井県を筆頭に全国で盛んに行われているが、未来のコミュニティを育むまちづくりに関する教育はまだまだ遅れている。「食育」に対応して、「まち育」というのはどうだろう。

尖った空っ風が頬を刺す名古屋駅でそう思った。

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