近江商人
先日、滋賀県東近江市五個荘の近江商人屋敷周辺を散策しました。
懐かしい佇まいの中に、古の近江商人の暮らしぶりや商人としての考え方に触れることができ、勉強になりました。
ここ、五個荘は近江商人発祥の地として有名です。
天秤棒を担いで遠く関東や信州、東北地方まで呉服や繊維などを主に扱っていた行商がそのルーツと言われています。
近江商人と一言でいっても範囲が広いようで、ここ五個荘では、あえて五個荘商人と言っているようです。
勤勉、倹約、自主自立の精神で、先祖を大切にしたり、敬神の念が強く、成功しても華美に陥らず、喜捨の精神を持っていると言われており、慈善事業や学校を作ったり、神社仏閣への寄進も行っていたようです。
男女とも教育熱心で、男は丁稚から番頭への育成システムが確立していたようで、女性も商人の妻としての実務や技能を学ばせていたようです。
近江商人の生き方を知る上で「てんびんの詩」(DVD)はつとに有名です。
私なりに、近江商人の商いのコンセプトを3つの言葉でまとめるなら、次のようになります。
(1)先義後利(自分の利益より相手の利益を優先することで、信頼とリピーター作り)
(2)きばる(他人の嫌がる苦労を進んですることで、ニッチな分野でビジネスチャンスを広げる)
(3)三方よし(買い手よし、売り手よし、世間よしで、企業の社会的責任を果たす(CSR))
これら、まさに現代にも通じることではないでしょうか?社会起業家としての一面も伺い知ることができます。
ちなみに近江商人が発祥の企業として、現代でも有名なのが、ワコール、伊藤忠商事、丸紅、大丸、高島屋、西武、日清紡、東洋紡、日本生命、ヤンマーなどが挙げられています。
「てんびんの詩」では、商いの真髄を「売るものと買うものの心が通じ合わなければモノは売れない」ということを言っています。
ネット社会になっても、このような考え方はほんとうに大切だな。
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