パートのちから
このような研修をする度に思わされる。
「パートさんスゴイ!」
パートさんは仕事と家庭の両立をせざるを得ないから、やむなくパートという働き方を選んでいる人が多い。
決して能力がないからパートになっているのではない。
むしろ、豊かな人生経験を積んでいる人が多く、生活感覚があり、買う側の立場に一番近い。
消費の多くは女性が握っているから、うなづけるし活用しないのはもったいない。
しまむらやブックオフもパートさんの能力を引き出し、仕入や接客、販売の面で活用することで成長した会社だ。
ブックオフの前社長はもとはパートさんだった。(福井県大野市出身)
パートさんを戦力として活用できるか、パートだからといって育てないでおくか、それはひとえに経営者次第。
パートさんを戦力にするためには、仕事の目的や目標をしっかり伝え、任せ、評価することが必要不可欠。
パートさんは正社員よりも夢を多く持っている人のように感じる。自分の可能性や能力を低いものと限定していない。
そのようなパートさんの高いレベルに合わせ、今回の研修では、セールストークのロールプレイングや応酬話法、さらに店舗の継続的改善を推進する技法をしっかりと習得して頂いた。
正社員、執行役員、派遣社員、パート、バイト、期間労働、短期正社員など、雇用形態の多様化がかなり進んでいる。
最近派遣社員の問題やワークシェアリングなど国会でも盛んに議論されている。
多様な雇用形態、働き方の多様性が存在する意義は、雇われるの側の立場でいうと、ワークライフバランスの実現であるが、一方で企業の側でいうとコスト調整弁としての機能を持つ。
この二律背反する課題にどう向き合うかという現在の議論はうまくかみ合っていないように思う。
国が民間企業の働かせ方に注文をつけ、法律で足かせを課すのは(麻生さんの口調を借りると)いかがなものか。
立法府としての国会がなすべきことは、セーフティーネットの整備しかないと思う。
ワークシェアリングということも盛んに言われているが、昔の日本はみんなワークをシェアしていたのではないか。
産業革命以降は業務の分化が進み、職業という概念が生まれ、個人それぞれが社会の一員としてプロフェッショナル性を発揮する時代になった。
職業は英語でoccupation、あるいはprofessionというが、何れも仕事の「持ち分」を定義する言葉だ。
私は昔から、「1億総起業家時代」に入っていると思っている。
それぞれの「持ち分」を提供して、社会に貢献する。
それを実現するために必要な情報技術の社会基盤は既に整っている。
社会的動物である人間にとって、仕事が無いということほど辛いものはない。
自分自身の「持ち分」をしっかりと見据えることが職業選択、職業獲得そして起業家の近道ではないだろうか。
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