時間意識
営業活動において一日の時間の使い方で、本当に成果に結びつく時間は全体の約2割程度であることが統計的に言える。
例えば、仮に1日8時間とすれば、その中で顧客と商談をする時間は約2割の1時間半強であるということだ。
顧客との面談時間はもっと長いと言えるだろうが、営業として売上に直接結びつく中核的な時間は、ニーズの確認、商品の説明、条件の交渉、顧客の紹介に結びつく情報収集など限られている。
この時間が、全体時間の約2割程度であると考えてよい。
残りの8割の時間は、見積書を書いたり、営業先リストの整理をしたり、移動したりという間接的な時間である。
営業職はこのようになんとなく、生産的時間と準備的時間の違いを理解できるであろうが、それでは店舗を構えるサービス業ではどのように捉えるべきであろうか。
やはり、全体時間の約2割が成果に結びつく中核的な行動であると捉えられる。
来店型サービス業は店舗を構え、顧客を誘導し、売上に繋がる行動をとるが、店によっては常にスタッフが顧客と対面していることもある。そういう意味では全体のほとんどが中核的な時間であるといえなくもない。しかし、顧客と対面する時間の中でも入店受付から、お見送りまでの一連のスタッフの活動を細分化していくと、売上に繋がる時間はホンの数項目である。
具体的には、ニーズを聞く時間、提案する時間、お客様の購入の意思決定を促す時間となる。
残り8割はそれに付随する時間、例えば商品の陳列をより良く見せ、来店動機を高めたり、客導線を長く取るように工夫したりする時間だ。
準備の8割の時間を如何に効率的、能率的に過ごせるかによって、2割の成果に結びつく時間の質が変わってくる。
これがいわゆる段取り8分と言われるゆえんであろう。
仕事をする、ということは、時間の観点から、成果に結びつく2割の時間をまずしっかりと意識して確保すること、そしてそれをより効果的にするために、準備の時間を効率的になるよう、日々改善することである。
プロは時々自身の時間の使い方を記録し、見直してみることが必要である。
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