オーナーと幹部のプレゼンの違い
実務的なオーナー経営者は、自事業の未来に関して内外にプレゼンをする機会はあまりありません。
理念や基本方針は発表したとしても、自事業に関して、いつまでに、何をするといった将来の明確な目標であったり、それに到達するまでの道のりであったりを、言えないのではなく敢えて言わないオーナーも多いです。
その理由は、重要な経営判断は状況に合わせて変えなければならない、ということは必然であるため、オーナー自らが計画を出した時点で、それに縛られて、経営判断を鈍らせてしまうという、計画の逆効果性について知っているからです。
これは、設備投資のかかる業態であればなおさらです。タイミングや所与の条件が揃わないと新規な投資ができにくいという外的要因に左右される場合が多い業態は特にそうです。
そのように考えますと、戦略はオーナー経営者を除く経営幹部にとっての表現ツールであり、オーナーはそれを判断する人ということになります。
それゆえ、オーナーは基本理念、経営方針、基本軌道(創業精神)について語るだけでよく、経営戦略は幹部が作り、発表し、遂行するものであると改めて感じています。オーナーはそれを決定する人です。
だからこそ、戦略はオーナー以外の経営幹部が策定するものであり、その権限を与えるのがオーナーの役割であると思います。
そのようなことを、本日のオーナーの方針発表の打ち合わせで改めて感じました。
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