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2009年12月 3日 (木)

短所を長所に

福井は日本一住みやすい所だといわれているが、他府県の人に白地図でその場所を指してもらう試みをすると、日本一場所が特定できないところであると言われている。
最近福井では新幹線の計画も事実上白紙化され、「このままでは、日本のチベットになってしまう」と危機感を持つ人も多い。

このように知名度がない、公共交通機関が発達していないなど、マイナス面ばかりをとらまえ、問題を解消しなければ、という方面にエネルギーを使うだけでは、本質的な課題を解決できなくなると、今日金沢の街を歩いてそう思った。

「あの人はおっとりしている」というと長所というよりは短所のように思われがちであるが、このような人はその反面「ものごとに動じない」とか「人当たりが良い」とか長所として捉えることもできる。

白黒の勾玉(まがたま)のようなものが合わさった太極図に象徴される「陰陽」の思想のようにプラスとマイナスが合わさって森羅万象が形成されているように、ものごとをどちらの観点で捉えるかによって長所にも短所にもなる。

一見マイナス、欠点と思われることを武器にする。地域おこしであれ、事業活性化であれこのような発想でとらえる視点が求められる。

そのためには、自店や自身、自地域の独自性、ユニークネスに目を向ける。

「ここでしか、味わえない」とか、「ここでしか、感じることができない」、という地域的不便さや限定性、あるいは「・・・なのに(けど)・・・」といった驚きにも似たギャップの存在、はたまた、「・・・だからこそ・・・」という、納得性や共感性がモノあまり、消費低迷時代の人の心をプルプル揺さぶる。

熟練した営業マンやサービスパーソンよりも、「若いのに、しっかりしている」といったことや、こんな美味しい料理を出す店が「こんなところに・・・」といったギャップが人の心を揺さぶる。

これを、認知不協和というが、もう一度自店、自社の意外性に目を向けた商品やサービスを考えてみたい。
案外、欠点と思われたことが長所や特徴を際立たせるキーワードになる場合もある。

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